2020年のオリンピック招致がきまったとき、女優の滝川クリステルが、お・も・て・な・し・ということばを使った。これが一種の流行語になった。
おもてなし。たしかに、いいことばの一つ。
持て為す。または、以て成す。ふるまう。とりまかせる。
そこで、考えたのだが――これは、関東のことばなのか、関西のことばなのか。
東京の人が、大阪の人を訪問したとき、「まぁ、おあがり」といわれる。こういうノは、東京では、目下の人につかうことばで、かなり、ぞんざいな口のききようだね。東京者なら、「さぁ、どうぞ、おあがんなさいまし」というのが、ふつう。
ところが、大阪の「まぁ、おあがり」というのは、けっして失礼ないいかたではない。
逆に、東京ではおかしく聞こえるのが、物品に、さんをつけること。
「お豆さん」、「お芋さん」。
オリンピックで、外国のお客さんが、競技場にきて、ウロウロ自分のシートを探していたら、
「よッ、XXXの旦那、遠慮しないでおくんなせえ。こっちだ、こっちだ。さ、みんな、異人さんのすわるとこをあけて、おとりもちしてあげやしょう」
なんてコトは――ないだろうナ。(笑)