和田垣先生は、東大で教鞭をとられたが、農大の教授に転じられたらしい。きっと、おもしろい講義をなさったのだろう。
神さまと悪魔が、腕くらべをやった。
神は、バラの花を作り、黄鳥を作り、男を作った。
これに対して悪魔は、イバラを作り、オウムを作り、女を作った。
花鳥においては、神の作ったものがすぐれていた。しかし、人間を作ったときは、悪魔の作った女人の美は男よりもずっとすぐれていた。
神さまは負けた。くやしまぎれに、神さまは叫んだ。
「今にきっと思い知らせてやるぞ、おぼえておけ」
女性の美しさは、たしかに美そのものだが、男性に比して女性には悪人が多い。アダムをそそかして、罪を犯させたイヴをはじめとして、犯罪の蔭に女ありというではないか。
「以上は仏国(フランス)の或るwoman-hater から聴いた話であ
るが、女無くては夜の明けぬ仏国に於てかかるこちを耳にしたのには一驚を喫
せざるを得なかった。」
和田垣先生のオトボケだろう。
「清貧」と題した一首がある。
持てばモテ 持たねばモテぬ 世の中に
持たねどモテる 人ぞたふとき(尊うとい、貴うとい)
和田垣先生の述懐かも知れない。