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ミーガン・ヒルティは、1981年3月29日、ワシントン州ベルヴュー生まれ。キャサリンより、3歳上。

「SMASH」ではじめて見たはずだったが、どこかで見たおぼえがあった。どこで見たっけ。しばらくして、「デスパレートな妻たち」で見たことを思い出した。
ミーガンの芸歴は長い。ミュージカル、「ウィッキド」の「グリンダ」で認められた。「白雪姫」で歌っている。(ただし、声だけ)。
2012年、「紳士は金髪がお好き」(ニューヨーク・シテイ・センター)で、 「ローレライ・リー」を演じている。これが成功して、「SMASH」に出ることになったらしい。
「SMASH」に出て、最初のアルバム、「イット・ハプンズ・オール・ザ・タイム」を出した。私は、田栗 美奈子にこのCDを探してもらった。
曲もよかったが、ミーガンの「ノート」が気に入った。

ここ何年も、アルバムを出すことに抵抗があった。なぜなら、わたしに語るべき
ことがあるなどと思ってもみなかったから。自分が出た舞台の歌とか、単純に好
きだからレコーディングするというのは、どうも納得できない。でも、今年にな
って、少し違ってきた。歌手として挑戦してみたいというだけでなく、もっと深
いレベルで自分でも納得できるミュージックを見つけたい、創造したいと思う。
ここに入れた歌はどれもたいへん個人的なものばかり、苦しいと同時に刺激にみ
ちたわたしの人生のある部分を表現している。わたしをささえて下さったみなさ
んにどれほど感謝しても足りないし、わたしが楽しく作ったこのアルバムを、み
なさんにも楽しんでいただければと思っている!

これが新人シンガーの最初のアルバムの「あとがき」だろうか。
芸術家として、何をめざすのか、何ができるのか、そのあたりをしっかり考えて仕事に立ち向かおうとしている、あくまで真摯で謙虚な姿勢がすばらしい。

キャサリンの「ノート」、ミーガンの「ノート」、それぞれ短い文章ながら、それぞれのみごとな資質、個性の輝きが見える。

80年代に、フェイ・ウォン(王菲)を中心に、香港ポップスを聞いていた。
ソヴィエト崩壊の前後は、リューバ・カザルノフスカヤ。マリーア・グレギナ。
21世紀になって、あまり気に入ったアーティストが見つからなかった。
ところが、ここにきて、キャサリン・マクフィーと、ミーガン・ヒルティに出会った。このふたりは、これからどういうアーティストになって行くのか。私は、久しぶりに、音楽を聞く気になっている。

さしあたって、「SMASH」の感想はここまで。
いずれまた書く機会があればいいのだが。