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キャサリンのデビュー・アルバム、「キャサリン・マクフィー」(2010年)に、長文の「謝辞」がある。
収録した全曲の関係者の名前を列挙しているのだが、その冒頭の一節。

ここまで私を支えて下さったすべての方々にどんなに感謝しているか、どこから
書いていいのか。まず最初にマクファビュラスなファンのみなさんに――ここま
でこられましたこと、夢が実現できたこと、みなさんすべてに感謝。アメリカン・
アイドル――私にいつも優しく、こんなにうれしいチャンスをあたえて下さ
ったケンとナイジェル、ほんとうにありがとう。

「マクファビュラスなフアン」というのは、マクフィーという名前に、Fabulousということばをつけたキャサリンの造語。
こうした謝辞がこの4、5倍もつづいて、最後に家族に感謝している。

私の家族、ママ、ダディ、姉さん、リリィに――みんなをすごーーーく愛し
てるわ。とくに、みんなの理解に感謝。うちの生活がてんやわんやになっちゃっ
たときも、みんなして支えてくれたわね。ニックに。ことばでいいあらわせない
くらい愛してる。サン・フラン(シスコ)に送ってくれたとき、オーディション
に落ちて舞い戻ったりしないように自信をもたせてくれた。本当はドキドキだっ
たのよ! 夢を現実のものにしてくれたみんなにあらためて感謝。私ってほんと
うに恵まれてるのよね。XXX

キャサリンのつぎのアルバム、「クリスマス・イズ・ザ・タイム」の「謝辞」も、さらに長文で、

メリー・クリスマス、エヴリワン! 一年でいちばんすてきな季節。このレコー
ドを作ったおかげでとてもしあわせ、みなさんのご家庭にも喜びを届けつづけた
いと願っています。ぜひ感謝したいのは――いちばんにファンのみなさん!

ここから、作詞、作曲、制作関係者の一人ひとりに感謝を捧げている。

あなたがいなかったらこのレコートはできなかったわ。あなたは私の人生に絶大
な音楽的影響をあたえてくれたの。自分の声を発見させてくれて、わるびれずに
自分自身であるように。とても貴重なことだったわ。私は自分たちの歌をあああ
あいしています! ほかの人たちにもあいしてほしい。まだあるわ。愛する夫、
親友、マネジャー。私にとってかけがえのない人たち。ことばにならない。ヴァ
ケーションに行きましょうね。ウワォ 永遠にキ・ス・を! 家族の一人ひとり
に。毎年クリスマスにみんながあたえてくれたインスピレーションの数々のすば
らしい思い出に。

「歌をああああいしています」は、I loooove our songsの訳。ま
るで、ティーネイジの女の子の手紙のようだが、これがキャサリンなのである。
「クリスマス・イズ・ザ・タイム」は、まさに「アイ・ラヴ・ユー」をいう季節。

このキャサリンの「謝辞」は、出発してすぐに自分が人生の頂点に立っているという自覚、あるいはせつないほどの充実感にあふれている。