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キャサリン・マクフィー、ミーガン・ヒルティー。
まだ、20代という人生のうちでいちばん輝かしい時期に、一流の芸術家であることについて。私のノート。
キャサリンの本名は、キャサリン・ホープ・マクフィー。1984年3月25日、ロサンゼルス生まれ。シンガー、女優、モデル。
2006年、「アメリカン・アイドル」のコンテストで準優勝。
2010年12月、デビュー・アルバム、「キャサリン・マクフィー」(RCA)は、全米アルバム・チャートで2位。38万1千枚。
2011年11月、セカンド・アルバム、「アンブロークン」(Verve Forcast Record)4万5千枚。
「カレン」と「アイヴィー」は、このドラマですべてコントラストを強調してえがかれる。ということは、キャサリン・マクフィーがどういう演技をしても、ミーガン・ヒルティーと比較される。
「アイヴィー」の孤独感、ドラマの進行につれて募ってゆくライバルリ、憎しみ、ミーガンの芝居がいいだけに、キャサリン・マクフィーの「芝居」が見劣りする。
視聴者の目がきびしく、キャサリンに「ダイコン」Bad actress という悪口を浴びせる連中も多い。
私は、こういう批評を読んであきれた。というより、キャサリンに同情した。
芝居、とくに「演技」について何も知らない意見が多すぎる。
キャサリンが「ダイコン」に見える――稽古場で、演出家にガミガミいわれつづける。たとえば、「アーサー・ミラー」とのやりとりで動きを間違える。(第11話)そんなシーンが、アタマのヨワい視聴者に、キャサリンが「ダイコン」に見えたのだろう。
ドラマ構成で、「カレン」と「アイヴィー」はコントラストの例。
映画スター、「レベッカ・デュヴァル」(ユマ・サーマン」が稽古場に到着して、はじめて歌うシーン。その前に、キャサリンが歌っているので「レベッカ」の歌がなおさらヘタに聞こえる。これも、コントラスト。(第11話)
第9話、「堕天使たちの街「Hell on Earth では――「カレン」が、別のオーディションに合格して、ジュースのCMに起用される。一方、ワークショップで「マリリン・モンロー」を演じた「アイヴィー」は、別の劇場のコーラスに舞い戻って、舞台で大きなドジを踏む。このふたりの境遇が逆転した。その夜、酒に酔った「アイヴィー」は、彼女の身を案じた「カレン」といっしょに、ブロードウェイの通りで、歌い、踊る。(このシーンは、キャサリン・マクフィー、メーガン・ヒルティのデュエットで、全編のハイライトの一つ。)