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モンテルランがこんなことを書いていた。

一人の芸術家が、冷静に、自分の知能と、魂と、創作力の発揮を、感覚が衰えて
いる老後の時期に賭ける。この事実には、ある種の偉大さがある。

だが、すぐにつづけてこうも言っている。

少なくとも、自分の天性によほど深い自信がないかぎり、ここまで長いあいだ、
眠らせておいた才能が、完全な姿で戻ってくるとは思えないはずだ。

アハハ。

老いぼれ作家が、いまさら人生に問いかけたところで、期待通りの返事が返ってくるわけがない。