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もう一つ、気になっていることがある。

これは「読売」(’12.9.21)「国語に関する世論調査」の記事による。

「ゆっくり、のんびりする」ということを「まったりする」という人が増えている。
「しっかり、たくさん食べよう」ということを「がっつり」という。
いずれも、調査対象の29パーセント。16歳~19歳では、約半数。二十代で、60パーセントを越えている。
「まったりする」は、おそらく関西系のことばがひろがって、イディオム化したのだろう。「がっつり」の語源は、ある人の説では、鹿児島の方言という。ひょっとすると、別のことが考えられないか。「ガッツ石松」というボクサーあがりのタレントにもかかわりがあるかも知れない。つまり、アメリカ語のGutsの変形かも。
私の見た例では――「女をがっつりイカせる」という用例があった。とすれば、フィジカルな行為に関して発生したのか。いずれにせよ、ろくなことばではない。

「中途半端でない」ということばを「半端ない」という。
「正反対」を「真逆(まぎゃく)」という。
これまた、16歳~19歳で60パーセント以上。二十代で約半数。

こうした言葉が、若い世代で半数を越えたということは、すでに文章表現にも転用されはじめるということだろう。

「まったりする」とか「がっつり」テナことばを使うのはまっぴらだが、もっと気になるのは、むしろ言葉の誤用で。イヒヒヒ。
(つづく)