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タレントの はいだ しょうこ が、昼のテレビに出ていた。

じつは、このタレントさんについては何も知らない。
小学6年生のとき、童謡の全国コンクールで、グランプリをとったことがあるそうな。むろん、私はこのときの彼女を見ていない。
ひょっとして――宝塚在籍の頃の、はいだ しょうこを見たことがあるはずなのだが、これももう、記憶も薄れている。かりに、おぼえていたにしても、ただ綺麗で、可愛い女の子が舞台で飛んだりはねたりしていたという印象だけで終わったのだろう。

「うたのおねえさん」の、はいだ しょうこは知っていた。

孫たちといっしょにずっと「うたのおねえさん」を見ていた。(例えば――私は、「花とゆめ」、「少年ジャンプ」、ようするに「ガロ」から「ぱふ」まで、ある時期のマンガにくわしかったのも、おなじ理由による。)

はいだ しょうこが「うたのおねえさん」だった当時は、いちばん下の孫がまだ赤んぼうだったので、残念ながら、あまり見なかった。(私の人生には、こういう偶然で知らないまま過ごしてしまうことが多かった。)

私が、はいだ しょうこを知るようになったのはずっと最近で、ミュージカル「若草物語」や「回転木馬」を見た頃からではなかったか。
ただし、はいだ しょうこについては、ごく普通の美少女というだけの、眼のくりくりしたタレントといった程度の認識しかもたなかった。
だから、AKB 48 の女の子のだれかれを見ている程度の関心にすぎない。

その、はいだ しょうこが、昼のテレビに出ていた。
フジテレビ。小堺 一機の司会で、ゲストのタレントがサイコロをころがして、そのメによって「情けない話」とか、「いまだからごめんなさい」などというテーマで話をする。この番組はたいてい毎日見ている。
この日、いっしょに出ていたタレントは、京本 正樹、神田 さやか、(6月20日、1:20p.m.)

はいだ しょうこは、こんな話をしていた。

コンサートで、場内の子どもたちがいろいろと質問する。彼女はそれに答える。
「サンタさんはどこにいるの?」と訊かれて、
「ええ、心配しなくて大丈夫よ。サンタさんは天国にいるのよ」

名古屋で、ファンに訊かれた。
「お好きな食べものは?」
「トリの指先」
手羽先というつもりだったらしい。

スキヤキのお店で、すき焼きを注文した。
焼き方は? と訊かれて、
「ウェルカム」と答えた。
店の人が、うやうやしく、
「こちらこそ、ウェルカムでございます」
とこたえた。うっかり「ウェルカム」といったらしい。

ジョークが大好きな私は、このときから、おっとりしたこの女優さんが好きになった。こういうジョークは、恵まれた家庭環境で、おっとり育った女優さんにしばしば見られる「天然ボケ」なのだ。