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孫の運動会を見に行く。
少子化の影響で生徒数が減少しているので、1年生から6年生まで紅白に分かれている。
行事全体が赤組、白組の対抗戦になっているようだった。

競技ごとに若い女先生のアナウンスがある。

「2年生までは、50メートルでしたが、3年生からは80メートル走になります。いちだんと成長した生徒たちの元気な走りをとくとご覧ください!」

そして、生徒たちの競争がはじまった。……

私は、「とくと」スポーツを観戦したことがない。相撲や、野球の解説で、「とくとご覧ください!」という言葉を聞いたこともない。
この女先生は、しきりに「とくとご覧ください」をくり返した。

きっと、何かの機会にこのことばを「とくとご覧」になってそのまま「とくと」おぼえたのだろう。この先生が相撲の解説をなさったら、
「本日、春場所千秋楽、いよいよ白鵬/把瑠都の一線であります。みなさん、とくとご覧ください!」
こんなことをおっしゃるかも。(笑)

NHKのアナウンサーにも――「その一翼を担う」ということばを、「その一翼をカウのは」とヌカしたヤツがいる。(5/15。6:38a,m,)
「ゆとり教育」の世代で日本語もろくに読めないのだろう。

放送前に原稿を「とくとご覧ください」といってやりたくなる。
とくと。入念に。とっくりと。つらつらと。篤とご覧うじろ。