恐竜が絶滅したのは何千万年も昔のことらしい。
私の頭脳はトカゲなみの容量しかないので、「らしい」としかいえないのだが――絶滅の原因は、メキシコ・ユカタン半島に、巨大な隕石が落下、地球に衝突したためという。私は、その隕石がどこから飛んできたのか知らないし、メキシコ・ユカタン半島を歩いたこともないので、これが事実かどうか知らない。
ただ、東北大をはじめ、世界の12の研究機関が合同で、さまざまな分野の研究者が、各地の地層、クレーターなどを調査し、この隕石衝突説を詳細に分析したという。
このチームの研究で――直径、約10キロから15キロの巨大な隕石が、秒速、20キロの速さで、当時、浅い海だった地表に衝突した。
そのエネルギーは、ヒロシマに投下された原子爆弾の約10億倍。
隕石が衝突してできたクレーターの直径は約180キロ。
この衝突で、大気中に飛散した膨大なチリが、太陽光を遮断した。
光合成をおこなう植物などが死滅したため、恐竜などが絶滅に追いやられた、という。
これまでに、隕石の衝突説は、地質学や、古生物学など、個々の分野の研究で追求されてきたが、全世界的な研究で、恐竜絶滅の原因がつきとめられたことになる。
今後、人間が何千万年にもわたって生きつづけるかどうか私は知らない。
かりに生きつづけるとして――巨大な隕石が落ちてこないように祈るしかない。
それでも、今、隕石が落ちてくると予知されたら、どうしようか。
さっそく、スティーヴン・スピルバーグか、「アバター」の監督、ジェームズ・キャメロンにドキュメントを撮らせたい。ただし、スピルバーグやキャメロンの映画が完成しても、誰ひとりそんな映画を見る観客はいないだろうけれど。
オバマ氏と、メドベージェフ、プーチン氏たちにお願いして、それぞれ保有している原爆、水爆を全部、宇宙空間にむけて発射していただく。
少しは、命中するだろう。この作業専任の部隊には、「ハート・ロッカー」(キャスリン・ビグロー監督)に出てくるジェレミー・レナーのような人物を選ぶことにしよう。むろん、巨大隕石相手に、小人数の爆発物処理班で対抗できるかどうか知らない。
6千650万年の空間に、いつか地球に衝突するかも知れない隕石があって、時々刻々に、地球に向かっている、と考えると……
こんなアホらしい宇宙的虚無感が、私にはけっこう楽しい。