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ある人生相談。

70歳代の祖母。
20歳代の孫娘は、大学をでて一流の会社に勤務しています。
ときどき外泊するので心配していたところ、男性の家に泊まっていたことがわ
かりました。深い仲でした。その男性は給料も安いし、ボーナスもなし。ずい
ぶんと反対もしましたが、孫は聞きません。
相談もなく勝手に婚姻届けを出し、2人でアパートに住み始めました。
いくら愛があるといっても、お金がないからと、結納もせず、結婚式もしない
なんて。男性に都合の良いことばかりです。男性は平然としています。こんな
ことでよいのでしょうか。私は夜も眠れません。
男性は、私の家にはほとんど来ません。孫娘は母親を訪ねては食品をもらって
いくようです。私は何もあげないでいます。
(福島・N子)

こういうババアを業突張り(ゴウツクバリ)という。
孫娘は「大学をでて一流の会社に勤務している」のだから、分別のある、しっかりしたお嬢さんなのだろう。近頃は「一流の会社に」勤務する女の子だって、「婚活」とやらにうきみをやつすようなご時世だよ。そんな女の子と違って、好きな相手を見つけてさっさと結婚する娘さんのほうがよほど利口だし、本人もどれほど幸福かわからない。
そういう孫をみとめてやるのが、話のすじ道ってものだぜ。

このオババにいわせれば、相手の男性は給料も安いし、ボーナスもないという。「お金がないからと、結納もせず、結婚式もしない」ことを非難する。
バッサよ、あんダ、古いねえ。白虎隊の子孫かどうか知らねえが、あんた、化石化しているゴウツクバリだナヤ。

このババアの心には抜きがたい貧乏人に対する差別がひそんでいる。そして、はっきりした「男性蔑視」がひそんでいる。まず、そのあたりに気がついたほうがいい。
世間にはりっぱに結納をかわして、ケンラン豪華な結婚式をあげても、あっという間に離婚するカップルだっている。あんたの孫娘は、結納もいらないし、結婚式もしないでいい、と思って結婚に踏み切った。けなげなお嬢さんだぜ。まったく。
実をいやぁあ、孫娘はあんたに内緒で母親にけっこう苦労をかけているはずだよ。そこンとこ察してやッたらどうなんだ、バサマ。
娘としては母親に援助してもらっている身にひけめも感じているかも知れねえ。「母親を訪ねては食品をもらっている」のは、むろん、新婚そうそうで家計が苦しいせいだろうが、ひょっとして、そういうおねだりに、娘としての甘えもあるんじゃなかろうか。母親だって、内心は心配しながら、娘のためにせっせと食品をわたしてやる。それがうれしいかも知れないやね。
ババアは、そんな母娘に嫉妬しているのかも。

母親だって、自分の新婚当時、あんたのようなゴウツクバリの母親をもったおかげで苦労したことを思い出しているかも知れねえ。

さて、このバンツァン、頭にきて、孫娘には「何もあげない」。ケッ。どだい、このイイぐさ。クソババアめ。
孫娘のほうだって、こんなクソババアから何ひとつ貰いたかねえだろう。
「夜も眠れません」だと? 胸クソが悪いゼ。心配で夜も眠れませんときたか。せいぜい、世間の同情惹くがいい。広い世間だ、あんたの味方につくやつも出てくるカモ。

ほんとうに孫娘が心配だったら、娘たちのアパートに、ほんのわずかでいい、お赤飯とメザシでも、カンヅメでも、野菜でも、小さな花束でも、宅配で届けてやればいい。突っ返されたってたいした失費じゃァあるまい。
あんたが一度だけでも心からふたりの結婚を祝福してやる。それだけですむ。

こういう投書を読むと、短編の一つふたつはすぐに書けそうな気がする。
むろん、そんなものを書く気はないが、自分のブログで、モンスター・クソババアの悪口を書く。

君子は三端を避けるという。私は君子ではない。世はまさに草昧のとき、嚇怒せずんばやまず。