女優、グレタ・ガルボは、孤独な生涯を過ごした。
彼女が自閉症に近い生きかたをつづけたのは、いろいろと理由が考えられるらしいが、ひとつには、少女時代に極端に人見知りがつよい、引っ込み思案の子どもだったことにかかわりがあるという。
ほんのひとにぎりの、おなじ年頃の少女たちとしか仲よしにならない。何かで気があったら、その瞬間からほんとうに気を許して、親友になった。そのときほかの人が入り込む余地はない。そんな子どもだったらしい。
ガルボのエピソードを読んで、すぐにバスター・キートンや、マリリン・モンローや、マイケル・ジャクスンたちを思いうかべる。
ガルボとおなじ精神圈に生きたスターたち。
一方で、シャーリー・テンプルや、エリザベス・テーラーや、ナタリー・ウッドや、ディアナ・ダービンや、あるいは、ジュデイ・ガーランド、マーガレット・オブライエンといった「チャイルド・ウーマン」たちを思い出す。
彼女たちは、いずれも強烈なパースナリテイーをもった女優だったが、お互いに共通するところはなかったと思われる。
もし、共通するところを一言で表現すれば――子どもっぽい、あまえ、あまったれが魅力だったのではないか。
逆に、高年齢の連中はどうだろう?
インドゥゲ・セニプス(年寄りのあまえ)が見られるのではないか。私の書くものも、みっともない例だが。