新型インフルエンザの世界的な流行。
1918年、ドイツのルーデンドルフ将軍は、「われわれは戦争に負けたのではない。スペイン風邪に負けたのだ」といった。
その後も、新型インフルエンザは、10年から数十年おきに、人間におそいかかってくる。
私たちの免疫は、それまで経験したことのない新しい病原体に対応できないため、大流行するらしい。
そんな中で、役者の市川 海老蔵が、大阪松竹座で「にらみ」をやったという。
この「にらみ」、襲名披露などでしか見せない。先年のパリ公演で、団十郎がやってみせたが、市川家伝来の芸である。
劇場には、
新型インフルエンザ蔓延につき、急遽、市川 海老蔵 にらみ相勤め申し候
という看板が出た。(’09.5.3=10日まで)
海老蔵が口上を申し述べて、ハッタと観客をにらみつけ、大見得を切って見せる。
いいなあ。
新型インフルエンザも、これで退散。
外国の芝居には、こういう睨みのパーフォーマンスはおそらくあり得ないだろう。個人間のインターパーソナル・コミュニケーションにおいても、日本人には、睨みのパーフォーマンスがある。