ぶさカワイイ。不細工だが可愛い。最近の新造語。
青森のオバサンが、ノライヌを育てている。このイヌは秋田犬(あきたけん)だが、顔つきがライオンに似ているので「レオ」と名づけた。
たまたま、よそのオバサンがこのイヌを見て「わさお」という名前をつけた。「わさおくん」は、なんともぶさカワイイ。彼はネットで紹介されて評判になり、多数のファンがアクセスしてきた。地元では「わさお」をデザインしたTシャツが作られたり、ファンクラブができたり。
近頃、ろくでもない話題ばかりが多い時代にこういう話を聞くのは楽しい。
私たちには「可愛い」モノに対する愛情がある。
やがて、そうした感情に別のファクターがくわわる。たとえば、グロテスクなもの、エグイもの、こわいもの、エロいものまでも、ひとしなみに「カワイイ」に変換させる。このファクターは「カワイイ」ものに対する崇拝 worship といってよい。
たとえば、少女マンガによく見られる。
前世紀末に、『ノンセクシュアル』、『ハンサムウーメン』、『カサブランカ革命』、『花になれっ』といったヤングアダルトや、少女マンガがぞくぞくと出てきて、これが何かの流れになりそうな気がした。私の予想は外れた。
9.11.の余波もあったのか。こうした傾向は、私の予想と違って綺麗に消えてしまった。いまになってみると、こうした作品も「ぶさカワイイ」例だったのかも知れない。そんなことを考えた。
テレビが、このイヌ「わさおくん」を紹介していた。(’09.1.20.NHK/総合 5:48.am)「青森」の若い女性アナウンサーが、秋田犬を「アキタイヌ」と呼んでいた。間違いではないが、ちょっとあきれた。
ぶさカワイイから、ま、いいか。