(つづき)
1) 世界経済・政治の重心は、あきらかに、アメリカから東アジア、太平洋地域に移りつつある。特に、中国、インドの重要性がまして、アメリカの重みが減少してきた。
この大前提は、いちおう間違いはない。たしかに今後の政治・経済状況の動きで、中国、インドの重要性がましてくる。かんたんにいえば、パクス・アメリカーナの終焉ということになる。
しかし、現在、世界経済・政治の重心は、あきらかに、アメリカから東アジア、太平洋地域に移りつつある、とまではいえないだろう。
アメリカの重みが相対的に減少してきたのは、イラク戦争の終息過程に大きな誤算があったからだし、これに金融経済の破綻が重なったからであって、これを切り抜ければ、ふたたび、アメリカの重みが上昇してくる。