いつ、どこで、どうして、こんな言葉をおぼえたのかわからない。
原稿を書きあげると、「ケラケンミョー ミョーウッス ビックリペケペケ」などとあらぬことばを口走り、三枚の短い原稿を書きあげると、ついうれしくなって、
いんちょ にんちょ ちょちょんが 長三郎
などとうかれる。
マージャンであがったときは、ロンと声をかける。ところが、実際には、ドカン、どしん、デンなどと口走るやつがいる。「ほれ、デタデタ」などというのもある。
リーチで、イッパーツ。エーイ、あがっちゃえ。
あれとおなじで、まあ、私が、ろくなもの書きではないことがおわかりだろう。
いつも鼻唄まじりで原稿を書き上げるわけではない。けっこう、あぶら汗をかいているので。だから、原稿を書きあげるとうれしくなる。書きあげた原稿をまるめて、鉦をたたくように、チーンチーン チンチンチン などと唱えたり、トントントン トントントン と、ずり足をしながら茶封筒に入れる。さっそく宛名書き。郵便局にもって行く。
浅間山には けむりが絶えぬ おいらの胸には 苦が絶えぬ
などとつぶやきながら原稿を発送してしまえば、あとは野となれ山となれ。(笑)
「やれやれ、これでシューハミョー、おれの原稿、ポコミョーミョー」などと唱えて、さっそくなじみの酒場に直行したものだった。むろん、トラになるために。(笑)