私の机に本が積みあげられている。
『変愛小説集』岸本 佐知子訳(講談社 2008年)、『孤独なアメリカ人たち』アースキン・コールドウェル著/青木 久男訳(南雲堂 1985年)、『映画都市 メディアの神話学』海野 弘著(フィルムアート社 1981年)、『ハリウッド殺人事件』中田 耕治編・監修(ミリオン出版/1987年)、『スター』エドガール・モラン著/渡辺 淳・山崎 正己訳(法政大学出版局 1976年)、『セックス・シンボルの誕生』秋田 昌巳著(青弓社/1991年)、『ヌードの歴史』ジョージ・レヴィンスキー著/伊藤 俊治・笠原 美智子訳(PARCO出版 1989年)、『宿命の女 愛と美のイメジャリー』松浦 暢著(平凡社/1987年)、『The Great Movie Stars <The Golden Years> 』by David Shipman(Hamlyn/1970年)、 ”What Every Lover Should Know”by Marquis Busby(Motion Picture Classic)June 1929.
今、この瞬間に、私の机の上にある本と雑誌。あるエッセイを書きはじめるために、私がかき集めてきたものばかり。
このほかに、私が読み続けている単行本、文庫本、友人の個人雑誌などが、所狭しとばかり散らばっている。
岸本 佐知子訳の『変愛小説集』は、毎日、短編の1つを読んでいる。どの作品もおもしろいので、いっきに読んでもいいのだが、少しづつ読んでゆくほうが岸本 佐知子の訳のみごとさをゆっくり味わうことができる。こういう仕事ができる翻訳家は、いまや貴重といってよい。ある有名な文庫で出たサマセット・モームの新訳、かつて中村 能三の訳にあったモームの凄さがまるで消えている。翻訳という仕事はむずかしいものだ。