ときどき、すばらしいことばを見つける。なぜか、うっとりしてしまう。正確にその意味がわかるわけではない。いつか自分の仕事にこういうことばが使えないものか、と考える。
「こは、たそ。いとおどろおどろしう、きはやかなるは」
『枕草子』(一三七段)。
「おどろおどろしい」は今でも使われている。「きはやかな」ということばはまったく聞かない。今の表記では「きわやか」になる。
「こは、たそ」は、「え、あなた、誰なの?」という意味。
ものもいはで、御簾(みす)をもたげて、そよろとさし入るる、呉竹なりけり。
というシチュエーション。この「そよろとさし入るる」もいいけれど、これはちょっと使えないだろう。
私のHPのエッセイは、さして、おどろおどろしくないが、できればきわやかに書いてみたい。女性の心の御簾(みす)をもたげて、そよろとさし入るような。
無理だな。(笑)