アメリカ、大統領予備選挙で、民主党のクリントン、オバマ両候補のはげしい争いが続いている。
史上まれに見る接戦と理解している。
ところで、リンカーンからの大統領について調べてみると、フーヴァーまで、共和党から12名が大統領になっている。これに対して、民主党から大統領になったのは、クリーヴランド、ウィルソンのふたりだけ。
ウィルソンは民主党の候補者として、2回つづけて当選した。クリーヴランドも2回選挙にのぞんだが、一度はハリソン(共和党)に敗れ、4年後、もう一度指名されて、こんどは当選した。
1912年、ウィルソンがはじめて大統領になった選挙では、共和党の内部ではげしい対立が起きていた。タフト派と、ルーズヴェルト派だった。これに乗じたウィルソンが、漁夫の利をしめたらしい。(ちょっと、今のヒラリー vs オバマの大接戦を横で見ている共和党のマケインという恰好だね。)
1916年には、世界大戦のさなかの選挙だったため、民主党のウィルソンの続投をもとめる世論が高まり、僅差でウィルソンがヒューズを破った。
1928年の選挙では、すでに二期をつとめたクーリッジが出馬しなかった。
I do not choose to run for President in 1928.
この”choose”ということばが、アメリカのみならず、ヨーロッパでもさかんに論議されたという。クーリッジの真意をさぐろうとして。
この年、ニューヨーク州知事だったスミスが、マッカドゥと争って共倒れになった。共和党のディヴィスが、うまく大統領をさらってしまった。今回のクリントン vs オバマの熾烈な指名争いを見ていると、そんな歴史のくり返しを見せられているような気分になる。
ところが、スミスは、444×87で、共和党のフーヴァーに惨敗している。
まるで自分が見てきたことを書いているようだが、1928年、私は1歳。
なにかにつけて歴史をふり返る。私の悪癖。すでに決着のついた勝負の棋譜をたどって、どの一手が失着だったのかつきとめるようなおもしろさに魅せられて。
今年の大統領選挙になぜ関心をもっているか、これには別の理由がある。
私の友人が、今年の大統領選挙をテーマに本を書いたからだった。この夏に出る。