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 常盤 新平が選んだギャングのベスト10は・・・・
  (1) アル・カポネ
  (2) ラッキー・ルチアーノ
  (3) マイヤー・ランスキー
  (4) フランコ・コステロ
  (5) ジョゼフ・ボナンノ
  (6) ジョゼフ・バラーキ
  (7) ジョン・ロツセリ
  (8) バグシー・シーゲル
  (9) ジョン・ディリンジャー
 (10)ベビー・フェイス・ネルソン

 このリストだけでも、常盤 新平の博識とマフィアに対する造詣の深さがわかる。
 たとえば、マイヤー・ランスキーはジュイッシュ・マフィア。マネー・ロンダリングを考えた最初の人物。
 お互いにかけだしの翻訳者だったころ、常盤 新平といっしょに、ニューヨークや、シカゴのシンジケートの誰かれのことを語りあったことを思い出す。

 後年、映画の「ネイキッド・タンゴ」をノヴェライズしたときにジュイッシュ・マフィア「ツヴィ・ミグダル」について、いくらかくわしくなった。

 なにごとにまれ、少しでも知っていれば、それなりに自信をもって書くことができる。評伝『ルイ・ジュヴェ』を書いたとき、ラテン・アメリカ巡業に出たジュヴェの劇団に、ユダヤ・マフィアが眼をつけていた事情もなんとなく想像がついた。

 作家や演出家はなんでも知っておいたほうが仕事のうえで役に立つ。