7月1日は、香港返還10周年の記念日だった。
返還10周年を記念して、香港映画を見ることにした。
「刀馬旦」はぜひ見たいし、王 家衛(ウォン・カーウァイ)も選びたいのだが、この「刀馬旦」と「重慶森林」は、スランプのときに見ることにしているので割愛した。
そこで私がまず選んだのは、「覇王別姫」(陳 凱歌監督)。これは、張 國榮追悼の意味もこめて。それに、コン・リーがいい。
つぎに、「風雲再起」(程 小東監督)を。「東方不敗」の続編だが、ストーリーのなかに葵の紋章の下に結集した日本の忍者群が出没する。その大将が「霧隠雷蔵」という。 さすがに徐 克(ツイ・ハーク)らしいゲテモノ。あまりのアホらしさに驚倒するが、私には、林 青霞(ブリジット・リン)と、王 租賢(ジョイ・ウォン)が出ているだけでいい。この時期のブリジットを見ていると元気がでる。
もう1本はどうしよう。
周 潤発の「上海灘」というわけにはいかない。劉 徳華の「新上海灘」も、返還10周年に見る映画じゃないし。ロザムンド・クァン、レオン・カーフェイの「愛よりはやく撃て」も、香港の「黒社会」を描いているので返還10周年の記念に見る映画じゃないなあ。レオン・カーフェイの「天上の恋人」なんか見たら、一日、暗い気分になる。
ピーター・チャンの「金枝玉葉」もいい。私の好きな袁 詠儀(アニタ・ユン)がかわいいから。しかし、「覇王別姫」で張 國榮(レスリー・チャン)を見てしまったから、あらためてレスリーを思い出して悲しくなると困る。
いっそ「甜蜜蜜」(陳 可辛監督)にしようか。「金枝玉葉」でレスリー・チャンとアニタ・ユンがキスする。この「甜蜜蜜」では、黎明(レオン・ライ)が張 曼玉(マギー・チャン)とキスする。ちょっと「また逢う日まで」みたいに。
もう1本、周 星馳(チャウ・シンチー)。
ただし、「少林サッカー」は返還後の映画なので、「チャイニーズ・オデッセイ」みたいな映画がいい。笑える。
おバカ映画が好きな香港電影三級片迷の私でも、王 晶(バリー・ウォン)を見るほど耄碌してはいない。
香港返還後、あまり香港映画は作られなくなった。製作本数も激減している。そのかわり海外に進出した有名スターが多い。それはそれでいいのだが、新作の映画はすぐに海賊版のDVDが作られて、その被害ははかり知れない。
香港電影迷の私にしても、返還後に見たものではサム・リーの「凶女」ぐらいしか記憶にない。
笑うしかない。