ビューティー・スポット。数年前からよく耳にするようになった。
「あいつ、モエなところがビューティー・スポットなんだ」
電車で、高校生がこのことばを使っていた。「あいつ」は女の子のことらしい。
ふ~ん、そういうふうに使うのか。
beauty spot n.付けぼくろ(patch):ほくろ、あざ(mole):わずかな汚点:景勝地 (「リーダース英和」研究社)
私などは、こういう意味だと思っていた。
日本ではいつ頃から、使われていたのだろうか。
西洋の化粧法に、ビューテイー、スポットといふのがあるが、これは、顔の大切のところに、わざとホクロを描き、単調を破ることによって、自らの美点を強調せんとする計略なのださうである。然るに彼の人間に、全くビューテイー、スポットを欠ゐていた。 ({中央公論」1938年4月号)
安部 磯雄(1865~1949)をとりあげた匿名の人物評の一節。(山浦 貫一あたりが書いたのだろう。むろん、確証はない。)
ふ~ん、こういうふうに使われていたのか。