525

古典の教養がないので、歌学の知識がない。残念に思ってきた。
江戸の文芸にしても、せいぜい川柳、草草紙の類を読んできただけで、趣味ともいえない。しかし、かりにも文芸批評を試みようというのだから、古典についてまったく無知というわけにはいかない。
ただし、アカデミックな批評とはまるで無縁である。

好きな古典はいくらでもある。紫も『日記』、和泉も『日記』。『伊勢』、『土佐』よりは『方丈記』、『徒然草』。
西鶴ならば『永代蔵』、『胸算用』。

むろん、教養がなくても何かを読めばそれなりの感想はうかんでくる。