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私の好きな辞世、絶命詩、絶命のことば。いろいろある。

室町時代の連歌師、山崎 宗鑑は、

宗鑑は何処へと人の問ふならば ちと用ありてあの世へといへ

為長 春水(二世)は「春水梅暦」の作者の弟子だが、

皆さんへ さていろいろとご苦労さま お先へ参る はい さようなら

江戸後期の滑稽本の作者、式亭 三馬(1776~1822)は、

善もせず 悪もつくらず 死ぬる身は 地蔵もほめず 閻魔叱らず

どうせくたばるなら、こういう辞世を詠んで死ぬほうがいい。