いつ頃からか、日本映画をほとんど見なくなってしまった。
そのかわり見た映画は、だいたいおぼえている。
「軍艦武蔵」、「無能の人」、「大誘拐」、「八月の狂詩曲」、「あの夏、いちばん静かな海」、「おもひでぽろぽろ」、「夢二」、「上方苦界草紙」といった映画。
ほとんどがもう忘れられてしまった映画だが、「おもひでぽろぽろ」は、テレビで何度も見ているし、「八月の狂詩曲」はビデオで見直している。
なぜ、日本映画を見なくなったのか。別に理由はないのだが、ソヴィエトが崩壊しはじめた時期で、毎日、世界史の大きな変換を見るような思いで、日本映画を見る余裕がなかったような気がする。
むろん、それ以後も少しは見ているのだが、それ以前ほど熱心に見ることがなくなってしまった
同時に、私の見た外国映画も本数は激減した。「羊たちの沈黙」、「シェルタリング・スカイ」、「テルマ&ルイ-ズ」、「コルチャック先生」、「マルセルの夏」、そのあたりはおぼえている。その後、外国映画は見つづけていたが、本数は激減した。
試写に行かなくなったせいもある。当時の私は大学をやめ、長い評伝を書く決心をして、その準備にかかっていた。これも映画をあまり見なくなった遠因になった。