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ある展覧会で、最近のロシア、フィンランド、グルジア、中国などの画家の絵を見た。残念ながら、ほとんどがポンピエだった。そして、アホらしい値段がついていた。
平凡な才能の画家が平凡な売り絵を描く。私はそういう絵を少しも軽蔑しない。
そういう絵がどこかの家庭の壁に飾られて、いつもやさしく眺められてみんなが幸福な気もちになる。それでいい。
私がスリット・ア-トに関心をもつのは、そういう絵を描く人は、はじめから自他ともに要求するところが少なく、見る人もそういう絵を飾ることで満足している・・・素直で、けなげで、微笑ましい情景に好意をもつからだ。
ところが、景気が少し回復してきたので、またぞろ、えたいの知れぬ美術品がえたいの知れぬ値段で市場に出てくる。そのことが不愉快なのだ。