TVアニメ「サウスパ-ク」は10年目に入ったが、長年、「シェフ」の役の声優をやってきたアイザック・ヘイズがしりぞいた。(CNN/06.3.15)。
このアニメが出発当初と違って、無差別に反宗教的な姿勢がひろがってきたためという。アイザック・ヘイズ自身が新興宗教「サイエントロジスト」の信者で、このアニメが「サイエントロジスト」を嘲弄したため、声優を続けるわけにはいかないというあたりにあるらしい。
「サウスパ-ク」は、アメリカの片田舎に住んでいる5人の小学生たち。ユダヤ教徒のカイル、デブでエッチでマセている悪童カ-トマン、毎回かならず死んでしまうケニ-、可愛い少女ウェンデイが好きなくせに、話かけられると、ヘドを吐いてしまうスタン。
この子どもたちの行動が、アメリカの偽善、道徳、倫理、常識(超保守派の女市長、無能で人種差別主義の校長たちに代表される)を徹底的にちゃかしたり、有名人をコキおろしたり、スキャンダラスな番組だった。
学校給食を担当している黒人の「シェフ」は、いつも少年たちの味方で、ときどき相談にのってやったり、短いエピグラムふうのセリフで、ピリッと皮肉や風刺をきかせる。ただし、いつもワキ役。
彼の特技は、しぶい声で春歌をご披露すること。(アイザック・ヘイズだから当然なのだが)ずっとあとの回で、両親がヴ-ズ-教の霊能者ということがわかった。
このアニメが10年も続いていることから人気のほどがわかるが、最近の「サウスパ-ク」はすでにピ-クを過ぎている。1999年から2000年にかけての、初期のエネルギ-、破壊力、創造性が薄れている。ハリウッド映画が力を失ってきた状況とおなじかも知れない。初期のビデオはWBで出ている。訳者の名は出ていないが、ス-パ-インポ-ズの訳がいい。私はいつも感心していた。
ビデオの入手がむずかしい向きは、DVDの「サウスパ-ク」(99年)だけ見てもいい。これには湾岸戦争当時のサダム・フセインが出てくる。
最近はAXN(45チャンネル)で見ることができるが、吹き替えなので、声優の違いもあっておもしろさは激減している。
残念だが。