ムッシーナは投げる姿勢に特徴がある。野茂 英雄のトルネードもめずらしいスタイルだが、ムッシーナのピッチングには独特なポーズとリズムがある。マウンドに立つと横にかまえてバッターを見る。眼をほそめる。ちょっと悲しそうな顔になる。胸元にグラヴを押しつけると、いきなり上半身を下に折りまげる。ヒョイッとかがめるのではない。腰のまがったおばあさんのような姿勢になる。MLBでもめずらしい投球姿勢。
ヤンキースには、ランディ・ジョンスン(05年は不調だが)からリベラまで、名だたる投手がそろっている。ランディ・ジョンスンはいつも自分の投球に絶対の自信をもっている。あの禿鷹のような顔つきが、獲物を見据えるような感じになる。
リベラはクローザーだが、シーソーゲームの最終回に出てくると、大向こうをうならせる千両役者のようで、見ていてワクワクする。ピンチのリベラは、むずかしいことを考える哲学者のような顔になる。
マイク・ムッシーナは今年(05年)も好調で、ヤンキースも地区優勝した。
私はムッシーナのファンだが、ヤンキースのファンではない。