100

イギリスの戯曲や批評を多く読んできたつもりだが、小説はそれほど読んでいない。はじめから系統的な読書とは無縁で、手あたりしだいに読んできたせいだろう。ほかに読まなければならないものがいっぱいあった。
だから外国の作家についての知識は偏頗なもので、好きな作家、劇作家は徹底的に読みつづけたが、きらいな作家には眼もくれなかった。
詩は翻訳したことがない。むずかしくて歯が立たないからである。ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ、マリリン・モンローの詩を翻訳したぐらい。ウィリアム・イェーツの戯曲を読まなかったら、彼の詩は読まなかったと思う。
そろそろ好きな詩人を訳してみようか。そんなことを考える。ただ、考えるだけのことだが。