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レニングラードは美しい街だった。
通訳のエレーナさんの案内で、「血の日曜日」の現場や、冬宮、ツァールスコエ・セロといった歴史的な場所や美術館に行っただけだが、この憂愁にみちた街の印象はいつまでも心に残った。
帰国したあと、『メディチ家の人びと』のエピローグにレニングラードの印象をレニングラードの印象を書きとめたが、あとは「ソヴィエト紀行」を新聞に四回書いただけだった。

先日、書斎をかたづけていると、「ソヴィエト紀行」のメモが出てきた。どうやら発表するつもりだったらしい。