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「電車男」は、ネットの掲示板への書き込みがそのまま純愛ドラマになっている。こういう作品が出てきた現象はおもしろい。もはや、純文学の変質といった次元で論じても仕方のない現象だから、文壇批評家は誰も問題にしないだろう。
すでに映画化され、コミック化されている。もっともっと売れたほうがいい。
この作品に関心をもった多数の読者のなかには、自分がネット上のアノニムな存在であることにあきたらなくなる人も出てくるのではないか。私はそのことにひそかな期待をもっている。むろん、ごく少数に限られるだろうけれど。