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ヒロイン。「彼女」を知ったときから、自分がもはや以前の自分とはまるでちがった状態に生きている、と思わなかったか。
小説や映画のヒロインたちひとりひとりは、けっしてきみの期待を裏切らない。ところが、きみはすぐに「彼女」を忘れてしまう。
たいていの読者、観客は不実なのだ。