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愛すること。
いつか私は書いたのだった。ひとはときとして愛するひとのなかに永遠をもとめる、と(「フリッツィ・シェッフ」)。
愛はある情緒(エモーシォン・パルティキュリエール)のなかに永遠をかいま見ることにほかならない。たまゆらの、いのちのきわみ。だから、恋人たちが、自分たちの愛こそいつまでもつづくと、心のどこかで信じたとしても無理からぬことだろう。
たとえ一瞬であっても。
たとえ、私たちが、ロミオやジュリエットではないし、パオロやフランチェスカではないにしても。