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ミモザ。南フランス。マルセイユからサント・ヴィクトワール山にむかう途中、黄色い花の林がどこまでもつづく。見たことのない風景だった。
マルセイユでは、ロマの浮浪児がミモザの一房を通行人に売りつけようとしていた。私はミモザを買った。だまされていると承知して。
いま、私の庭に、ミモザが二本植えてある。