不意に梅雨があける。 はげしい日ざしが街路樹のうしろまでひた寄せに押し寄せて、セミの声も気だるさを誘うような昼さがり。 バスがあえぎながら走っている駅前や街。そこに金色の火箭(ひや)のような日ざしが降りそそぐ。室内にクーラーがあっても、汗がにじみ出すような夏。暑くて眠れない熱帯夜がつづく。 それでも、私は夏が好きなのである。 Copyright(C) 中田耕治2005 All Rights Reserved.
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